「はじめてでも分かる、ウェブサイト制作の教科書」と題した記事も3つ目となりました。
はじまり編は今回で最後です。
なんでウェブサイトを作るの?課題と目的を考えると具体的なサイトが作れそう、という話をし、サイトへの集客経路と施策、ウェブページの役割の話を前回の記事でしました。
今回は目標設定(KPI)について。
Key Performance Indicator 、重要業績評価指標と言いますが平たく言えば目標数値、目指すべき数値を考えようという回です!
ウェブサイトのKPIってなんだろう
ウェブサイトの目標設定は様々です、リード獲得が目的の場合はお問い合わせや資料ダウンロードの数。
成約まで見るならCRM上での成約数や成約率、ブランディングが目的の場合は、指名検索での流入の数かもしれません。
ランディングページからの購入数、SNSからの会員登録数、もしくはLINEの友達追加の数…
様々な数値があり、施策にあわせて目標を設定できると良いです。
全体把握のためにスプレッドシートなどでデータをまとめておくと管理しやすいですし、数値の対象はGA4なのか、顧客管理システムの数値なのか、予め見るべきデータを決めておけると良いでしょう。
マイルストーンも考えてみる
横文字ばかりで分かりづらいですが、マイルストーンは中間の目標地点です!
お問い合わせの数をKPIとした時、このコンバージョン(CV)を増やすためにはいくつかの指標を見つけられます。
サイトへのアクセス数自体を増やせば、自ずとお問い合わせの数が増えます。
お問い合わせ「率」が向上すれば、アクセスが増えなくてもCVが増えますよね。
ページの閲覧数が増えるとCVする傾向があるのなら、サイトの導線の改善で成果が出るかもしれません。
この場合、ページ閲覧数を指標にしても良いです。
フォームの使いやすさも見逃せません、フォームページの到達とCV数から、フォーム改善(EFO)による指標を見つけられます。
サイト全体の大きなKPIと施策ごとの小さなKPIを設定
前回の記事であったように、施策ごとに必要なページが異なる場合は、それぞれの小さなKPIを用意します。
サイト全体では問い合わせ目標が100件の場合、広告からは50件、自然検索からは10件、SNSからは、、とそれぞれの施策が担う目標を設定し、さらにマイルストーンとしてのKPIも考えます。
リード獲得の場合、お問い合わせの先にはアポ取りや商談があり、成約の先には継続利用や追加購入など、さらなるKPIが待ち受けています、解約数を抑えることも目標設定になりそうですね。
リード育成としてメルマガやウェビナーなどの引き上げ施策にもKPIがあるでしょう。
全体を把握してインパクトのある施策を探す、広告施策の費用対効果を考えてコストを減らす、押し引きを知る、数字が分かれば人員配置もしやすいです。
最初からうまくいく必要はありません、数字を見る習慣が良いビジネスサイクルにつながると考えています。
そういう意味ではビジネスフローを言語化、可視化することも大切ですので、別の機会に記事にしたいと思います!
KPIの設定例
ここからはKPIの設定例を見ていきましょう。
サイト全体の目標「リード獲得数」
CV=リード獲得
CV数:50件/月 → 100件/月
CVR:0.1% → 0.1%
アクセス数:50,000/月 → 100,000/月
アクセス数を2倍にする施策を考えたい、ただしCVR0.1%を保てる関心度のユーザーを集客する必要がある。
CVRを改善する施策も検討して、両面で改善できる取り組みをしていくと良さそう。
ランディングページの改善「ページ閲覧の深度」
CV=資料ダウンロード
CV数:50件/月 → 150件/月
CVR:1% → 3%
アクセス数:5,000/月 → 5,000/月
スクロール率:20% → 50%
広告からのCV数を3倍にしたい、広告予算は上げられないためLP改善でCVRを向上させる必要がある。
CVユーザーの特徴をヒートマップで調べると、よりページの最後まで見る傾向がある。
LPのページスクロールを20%から50%まで改善できるようなページ改善をしよう。
スクロールを向上させる打ち手は何かを考える
・KVをより広告クエリとマッチさせる
・関心度の高いコンテンツを上部へ移動
・CTAセクションのコピー改善
・ページ読み込みの速度改善
・資料の種類を変えてみる
打ち手が多いと変数が多くなり要因を掴みづらいところがありますが、最後までLPを見てもらえるように改善を考えます。
商談数を目標にウェブ相談会の開催数をKPIにする
リード獲得はそれなりにできているが、商談まで進むことが少ない。
予算が合わない、導入時期を迷っている、相見積もりのため、など問い合わせはするものの商談まで進まないということは BtoB のビジネスではよくあることだと思います。
ウェビナーや相談会を実施すると商談になるケースが多い場合、開催数を目標にすることも良い発想だと考えます。
効果的に作用する施策に着目し目標設定をする、コントロールできる取り組みだと実行しやすいですよね。
ウェブサイトでは開催情報をしっかり発信することで、訪問したユーザーは安心感や専門性を感じると思います。
商談のための施策が結果的に問い合わせ数の改善にもつながります。
1つの施策だけで終わらず、良いアイデア・コンテンツは複数の面で展開していきましょう。
データをしっかり管理する
CRMなどで一括で管理したり、スプレッドシートで管理したり、いくつかのデータを統合したり、できるだけ自動の方が運用はしやすいですが、データが取得出来ている状態をしっかり作っていきましょう。
次回からは「調査・分析編」
フレームワークを使った分析で見たいところだったり、キーワード分析で検索意図や傾向を調査する方法を紹介します。
ウェブサイト制作の教科書なのに作り方が出てきません、そうなんです、作り方自体はきっと知る必要がないので、今回の企画ではあまり出てこないかもしれません…それでは次回もお楽しみに!